プラセンタサプリの原料は哺乳動物では胎盤、植物では胎座と呼ばれる部分で、いずれも英語ではplacentaと呼ばれています。
動物では雌の生殖器内部に、植物では果実の種のうち発芽にかかわる部分で、新しい命を守ったり、
栄養を与えたりする役割があります。
魚の場合は卵生であるため、プラセンタにあたる部位はありません。
実は「海洋プラセンタ」「マリンプラセンタ」と呼ばれるものは、
魚卵に含まれている成分を抽出したもので、プラセンタではありません。
また、植物プラセンタと海洋プラセンタには、動物のプラセンタに含まれている成長因子がありません。
そのため、動物性原料のプラセンタサプリに比べて、美容・健康に対する効果は限定的とも言えるでしょう。
ところで、哺乳動物のプラセンタに、牛が含まれていないのにお気づきでしたか？
プラセンタ製品の歴史はすでに50年にもなりますが、以前は牛プラセンタも製品として使われていました。
ところが、狂牛病の発生が確認されて以降、牛の血液や一部の内臓肉を通じて人に伝染する可能性があるとわかった為、
これらの流通が禁じられました。
胎盤もその可能性のある臓器である為、牛の胎盤を原料とするプラセンタサプリは姿を消すことになったというわけなんですね。
プラセンタが医療の現場に登場してから、実に40年以上。
開発は50年ほど前から始まっていました。
でも、実は動物も人も、栄養豊富・滋養強壮に効果的な「食物」として、昔から胎盤を口にしてきたのです。
出産後、子どもを産み落としたあとに出てくるのが胎盤ですが、母となった動物が自ら食べてしまうことがしばしばあります。
そうすることで、天敵となる他の動物ににおいを知られにくくなり、出産後の体力回復にも役立つというわけなんですね。
人でも「胎盤食」と言って、胎盤は貴重な栄養食として世界中で食べられてきました。
昔は日本でも、出産のあった家から胎盤をいただいて、
体力回復の必要な人に食べさせるという風習のある土地もありました。
また、中国では人の胎盤は乾燥して漢方薬に、またギリシャやエジプトなどでも紀元前から美容や滋養強壮のために使われてきたという歴史があります。
胎盤食から発展した漢方薬や乾燥胎盤はプラセンタサプリの原型とも言えるもの
でしたが、現在では狂牛病や感染症対策を踏まえ、厳しいルールに則ったプラセンタサプリが生産されるようになりました。
プラセンタサプリを試してみたけれど効果を感じられない、かえって体調が悪くなったという人もいるかもしれません。
原因として考えられるのは、製品の品質が良くない、その人の体質に合わない、
効果が出過ぎてマイナスの影響が出てしまっているなどが考えられます。
薬剤としてのプラセンタは、生き物の体を原料にしている「生物学的製剤」の一つであるため、
原料の品質や製造工程などに厳しいルールが課されています。
生物が原料ですから、感染症予防のため十分に加熱や殺菌するなどして製品化しなくてはいけませんが、
その製造過程で、肝心の栄養成分が破壊されてしまう場合もあります。
サプリメントの場合も同様です。
「高濃度プラセンタ」などと書かれていても、破壊・分解された成分がぎっしり詰まっているというプラセンタサプリでは、
十分な効果は見込めないというわけなんですね。
一方、使い過ぎが害になる場合もあります。
女性の場合、規定以上の量のプラセンタサプリを長期にわたって使うと、
生理が重くなる場合や、太りやすくなってしまう人もいます。
ホルモンが充実していて、代謝が盛んな若い世代の場合、
プラセンタを使っても効果を実感できなかったり、過剰に肌がテカテカしてしまったり、
ニキビや肌荒れが起きてしまうこともあります。
また、プラセンタに多く含まれているアミノ酸はたんぱく質成分でもあるため、
アレルギーの原因になってしまう場合もあります。
プラセンタサプリを使う時には、高品質な原料で作られたものを、適切な方法で使用し、
体質に合うかどうかを確認するのが大切ということですね。
一方、使い過ぎが害になる場合もあります。
女性の場合、規定以上の量のプラセンタサプリを長期にわたって使うと、生理が重くなる場合や、
太りやすくなってしまう人もいます。
それでは、プラセンタサプリはどんな人が使うのが良いのでしょうか。
美肌をめざす女性に人気のプラセンタですが、肌への影響力が強いと考えられているだけに、10代20代の使い過ぎは禁物。
やはり30代以上の大人に対して効果を発揮しやすいサプリメントなんですね。
疲労回復や滋養強壮効果も期待されているの為、女性だけでなく疲れ気味の男性にもオススメ。
もちろん薬ではないので、直接的に治していくわけではありませんが、
若々しく生き生きとした生活を求める人の強い味方になるのがプラセンタサプリ。
だから,
仕事やスポーツで疲れた時、風邪などで体調を崩して体力が落ちてしまった時、
お肌のカサつきや老化が気になる時など、
その日その日の体調に合わせて、少しずつトライしてみるのも良いでしょう。