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コスパの良い製品=エキスの濃い製品?

プラセンタ製品を選ぶにあたり、
誰もが求めるのが「効果の高いもの」「コストパフォーマンスの良いもの」ですよね。
そうすると、どうしても「濃い方がいいのではないか?」
「多量に含まれている方がいいのではないか?」と考えてしまいます。
コストパフォーマンスと効果の関係はどうなのかを考えるにあたって、
カギになるのが「エキス」の問題。
多くの製品で原料となっているプラセンタエキスは、
どうやって作られているのか考えてみましょう。

海外のお土産やあやしい輸入品には要注意

念のために説明しておきますと、馬や豚など原料となっている動物の胎盤そのものを
乾燥・粉末にする方法で製造されているわけではありません。

この方法では衛生上問題があり、有効成分が破壊されてしまう可能性が高くなってしまいます。
もっとも、プラセンタの長い歴史の中、漢方薬として製造されてきた時代には、
取り出した胎盤を洗って乾燥させただけのものもあったと言われています。

現在では医薬品にしろ食品にしろ、日本国内では厚生労働省の決めた基準に則って、
衛生管理がなされた工場で原料生産されているか、基準に合致した製品が輸入されています。

ですから、
例えば個人の方が海外旅行先で入手したプラセンタ製品がオークションなどで販売されていたら、
その品質は不明であることにも注意しておきましょう。

エキスの抽出方法一つで、濃度や成分が違う

国内で製造されているプラセンタエキスは、衛生的に管理された胎盤を、
酵素で分解する・フィルターにかける・加水分解する、などの方法で成分を抽出しています。

ここで一つ、考えてみてほしいことがあります。

例えば1kgの胎盤が原料としてあったとします。
これを1Lの精製水で抽出する場合と、5Lの精製水で抽出する場合では、
当然、濃さが違いますよね。
でも、この2つはいずれも「純粋なプラセンタエキス」です。


ですから、エキス何万mgと表示されていたとしても、それだけでは本当の濃さはわからないのです。

こう聞くとショックを受ける方もいるでしょうね。
どこをどう見たらプラセンタエキスの本当の濃度がわかるのか、
疑心暗鬼になってしまうかも知れません。

それだけでなく、
胎盤からエキスを抽出する技術によっても、
品質には大きな差が生まれます。


同じ1kgの胎盤を原料に使っても、抽出方法によっては成分が破壊されてしまう場合があるのです。
例えば、胎盤にたっぷり含まれているアミノ酸は、たんぱく質です。
たんぱく質は熱を加えると変質するため、有効成分が失活したり効果を失ったりしてしまいます。

「加水分解」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、
食品製造から化粧品、 薬品製造など広く使われている技術です。

この方法には加熱の工程があるため、アミノ酸の多くは変質してしまいます。
加水分解は普及している製造方法ですので、
それまでプラセンタを扱ってこなかったメーカーでも新規参入しやすく、
意外な企業までがプラセンタ製品の製造販売を手掛けるようになりました。

有名メーカーのものだから安心と考えがちですが、
効果的とは言いにくい製造方法で生産している場合もあるので、
購入前に良く調べておきましょう。

技術の高さが価格に跳ね返る

最後に、プラセンタからエキスを抽出する際、比較的よく使われる技術を確認しておきましょう。

・酵素分解法
原料となる胎盤に特定の酵素を加えて、成分中のアミノ酸などを活性化させた後、抽出する方法です。
酵素の力で熱や光線を浴びても有効成分が壊れにくくなるため、近年は多く用いられるようになりました。
どんな酵素を加えているのか、どのように活性化させるのかは多くのメーカーで企業秘密になっていますので、
メーカーのサイトを見てもわかりにくいかもしれません。

・分子分画法
漢字であらわすとピンときませんが、特殊なフィルターを用いてろ過することで製品を精製する方法です。
製造過程の温度変化が小さいため、生物原料の製造では品質の変化が起きにくく、
アミノ酸や酵素などが失活せずに生きています。
それだけに、原料に細菌やウィルスが含まれていれば問題になるため、衛生管理には非常に気を遣う製造方法でもあります。
費用も高額になるので、医薬品レベルの製品を製造するときに使う場合が多いようです。

・凍結融解法
またの名を「細胞破壊法」とも呼ばれる製造方法で、冷凍することによって組織を破壊し、
成分の抽出を繰り返すという方法です。ごくかんたんにわかりやすく説明すると、肉を冷凍した後に自然解凍すると、
ドリップが出ますよね。また、ゆでたジャガイモを冷凍すると、解凍後は崩れやすくなりザラザラした触感になります。
このように、冷凍することで組織の細胞を破壊し、解凍する際にエキスを抽出するという方法です。
加水分解法に比べて加熱による成分の損失は少ないものの、凍結と融解を繰り返すことで
成分が劣化しやすくなるとされています。


以上、さまざまな方法で抽出されるプラセンタエキスですが、
濃度については製品中のたんぱく質(アミノ酸)の測定が信頼できるとされています。
この数値は窒素含有量も目安になりますので、購入時には確認してみたいものです。